前回見たようにクチコミが従来以上の波及力を持ち始めた結果、消費者行動はどのように変化したのでしょう。
この点、CGMとCGMが社会にもたらした影響を見た際に両者が「鶏と卵」の関係であったように、クチコミの発達とその結果としての消費者行動の変化もどちらの変化が先ということではなく相互に影響しあっているということを念頭に置きながら読み進めていただければと思います。
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CGM上にクチコミ情報が蓄積されるにつれて、消費者は商品購入前にそのような評判情報を取得するようになりました。例えばある商品を購入しようとする際に製造元の企業サイトだけでなく、すでに購入経験のある購入者の日記や類似商品の利用者の声、価格サイトなどを通じてその商品に関する情報収集を行なうことはごく一般的なこととなっています。
消費者がある商品・サービスを知り、購買に至るまでのプロセスに関する仮説として非常に有名なものとして「AIDMAの法則」があります。これは米国のローランド・ホール氏が提唱したもので、Attention(注意)→Interest(関心)→Desire(欲求)→Memory(記憶)→Action(行動/購買)の頭文字を取ったものです。
このプロセスは認知段階、感情段階、行動段階の大きく3つに分けられ、消費者がまずはじめに製品やサービスに注意を払うようになる認知段階(Attention, Interest)、次いで興味や関心を抱き欲求し記憶する感情段階(Desire, Memory)から、最終的に購買行動を起こす行動段階(Action)へと続きます。
株式会社電通の秋山隆平氏と杉山恒太郎氏は、ネット上の商品関連情報の充実に伴う消費者行動の変化を捉え、このAIDMAの法則に代わる新たな法則として「AISASの法則」を提唱しています。
これは、Attention(注意)→Interest(関心)→Search(検索)→Action(行動/購買)→Share(共有)の頭文字を取ったもので、AIDMAの法則と比較すると購買に際して吟味したり考量したりするための「記憶」の機会が少なく、代わって「検索」と「情報共有」とが購入決定の要因として重要視されている、というeコマースに特徴的なプロセスを反映したものとなっています。
CGM上に蓄積されるクチコミ情報は、まさにAISASの法則の「検索」と「情報共有」において対象とされる商品関連情報を充実させ、有益な情報を提供し、これによって消費者はますます購買行動時に検索を行なうようになり、またCGM上でのより発達し優れた情報共有の仕組みがますます多くの参加者による情報共有を促し、検索と情報共有の両者が互いに正のスパイラルによって発達していくなど、CGMがAISASの法則を加速しているといえます。
また例えばクチコミで話題になっていることから商品やサービスについて知るなど、Attentionを得るきっかけとしてもShareの重要性が高まっていることからも、消費者行動の焦点はAttention喚起と獲得を中心とした「上流」からShareを中心とした「下流」に移ってきています。
ちなみにAISASの法則に、検索後の比較(Comparison)と検討(Examination)を加えた「AISCEASの法則」もあり、消費者が購買行動において豊富な情報の中から必要な情報を入手し十分に検討した上で購買という行動を起こしている姿が描かれています。
最後までお読みいただきありがとうございました。ご意見・ご感想などよろしくお願いいたします。
伊藤 史
PS
AISASについてより詳しく知りたい方は下記のようなサイトご覧下さい。
http://hatakama.cocolog-nifty.com/strategicit/2005/10/aidmaaisasaisce_58ac.html
http://director.daich.com/archives/2004/06/07/0137.html
電通が提唱するネット時代の購買プロセスモデル「AISAS」には納得実践ビジネス発想法
http://premium.nikkeibp.co.jp/retail/keyword/58.shtml
http://www.sophia-it.com/content/AISAS%E7%90%86%E8%AB%96
http://marketing-campus.jp/word/az_45.html
http://salespromotion.jp/the_c.php?column=the002
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